「法律って難しそう…」法律の勉強をした事が無い人や初学者の人は、どうしてもそういうイメージ持ってしまいがちですね。
その理由は、法律学が世間の人々のイメージから遠い場所にあるためです。
錯誤、虚偽表示といった小難しい漢字を使った表現や分厚い辞書や参考書を使うため、仕方のない事なのかもしれません。
しかし、法律は普段意識をしていないだけで、実際は私たちの日常生活の中にたくさん溢れていますよ。
特に難しい法律や概念を出すことなく日常にある法律を紹介しようと思います。テーマは「家」に絞りますね。
家を手に入れるまでに必要な法律
皆さんが今住んでいる家はどうやって手に入れましたか?
一戸建てを親が買った、自分で購入した。アパートを借りたなどが考えられますよね。
法律的には買った場合は売買、借りる場合は賃貸借(お金を払って借りること)と言われますが、これらは「民法」という法律にそれぞれ規定されています。
家を買う際には、銀行でローンを組んでお金を借りることになります。お金を借りる場合は消費貸借と言います。
そういえば、お金を借りるときには、「利息制限法」や「出資法」という法律もあります。これらは、高すぎる利息によってお金を借りる人が苦しまないように配慮された法律ですね。
一方で、家やその家が建っている土地を借りる場合は「借地借家法」という法律が使われます。
これは、人が居住するために土地や家を借りる場合に使われる法律です。
貸している人が一方的に有利になる場合はそのような合意は、場合によっては無効となるといった規定もあり、借りる人にとって優しい法律です。
また、多くの人は家を買ったり借りたりする相手は業者だと思います。
この場合、この業者は宅地建物取引士(通称「宅建」)という資格を持った人が関係しています。この人たちについてのルールを定めた「宅建業法」という法律が存在します。
ところで、家に住むには家が建てられている必要がありますよね。
家を建てる際にも規定があります。これが「建築基準法」という法律です。この法律では、建物の高さや面積、その他換気、トイレについてのルールが規定されています。
家を安全に使うために登場する法律
これを権利といい、特に家を持っているときには所有権、借りているときには賃借権と呼ばれます。
これらの権利は目に見えるものではありません。かといって、家に名前を書くようなこともありません。
その時に登場するのが「不動産登記法」です。このような権利を持ったときには、できることがたくさんあります。
例えば、自分の庭に勝手にゴミを捨てられたとき、そのゴミを片付けろと言えます。これは、民法上の概念(法律上はない)である妨害排除請求権と呼ばれています。
また、家に自動車が突っ込んでしまい、家が損壊した場合にはその損害の賠償を求めることができます。
これは、自分の所有権を害されたためであり、不法行為と呼ばれる民法の規定に従った結論です。
このようにお金を求める場合、事故の当事者同士で話し合って解決できればいいのですが、もちろん決裂することもあります。
そんな時に訴訟(裁判)を起こすことになります。
そうなれば「民事訴訟法」の出番です。そして、家に泥棒が入ったときにはその泥棒は処罰されます。
そのときに活躍するのは、住居侵入罪等の犯罪処罰を規定する「刑法」であり、その処罰を決めるため裁判が行われますが、そのときに登場するのが「刑事訴訟法」と呼ばれる法律です。
まとめ
このように「家」というテーマだけで複数の法律を紹介しましたが、日常生活にはさまざまな法律が使われています。
家を建てる場所についての規定であったり、相続についての規定ももちろんあります。
ただ、少し意識するだけで法律は意外と身近にあるということが、少しは伝わってくれればと思います。