今後の生活を考えたときに、『結婚資金をためたい、新車を購入したい、住宅ローンの頭金を作りたい、老後に備える』など、『各々が迎えるライフイベントに備えて貯金をしたい』と思っていらっしゃる方はとても多いでしょう。
ただ、「毎月の家計の中からどれだけ貯金に回すのが正解?」と聞かれたら明確な答えはすぐに出ないかもしれませんね。
多い方がいいに決まっていますが、現在の生活を極端に削ってまで貯金に回すのは良くないですし、『少なくともこれだけは貯金に回しておくのが良い』という目安が欲しいところだと思います。
そこで本記事では、家計簿相談に携わってきた立場から、貯金についてのアドバイスをしたいと思います。
家計の状況を把握し貯金の目標を決める!
今のあなたはどういう立場に置かれていますか?
学校を卒業して働き始めたのか、結婚して家庭を持っている方なのか、お子さんが学校を卒業して夫婦が子育てから開放されたのか様々な立場がありますよね。
あなたの立場によって貯金に回すことのできる額も大きく変わってくるでしょう。
また、貯金の目標額も立場によって違ってきますよね。
やみくもに貯金するだけでは効率的ではなく、モチベーションも上がりません。
「今いくら貯金できるのか」「最終的にいくら貯金したいのか」をまずは把握しましょう。
貯金の目安の参考に家計調査を使う!
貯金と貯蓄は厳密に言うと少し異なります。
貯金はお金を貯めることです。対して貯蓄は貯金だけでなく株式や投資信託、年金や保険などへの投資も含んでいます。
その概念の違いを理解していただいた上で以下の統計資料をお知らせしましょう。
これは総務省の家計調査(平成27年)によるものです。
自分の家庭と比較すると「エッ!」と驚くかもしれません。
家計調査年報(貯蓄・負債編)平成27年(2015年)(総務省統計局)
①20代の場合
平均貯蓄率は35.8%となっており、世代間でも最高となっています。
まだ働き始めてさほど長い期間ではありませんので給料自体そこまで多いとは考えられません。
しかし、世帯の人数も一人もしくは二人の場合が多いでしょう。
家計支出の額も相対的に少なく抑えることができるため、貯金に回す額も多めになる傾向が見られますね。この時期こそが貯金にはいいチャンスと言えるでしょう。
②30代の場合
平均貯蓄率は21.5%となっており、20代の場合に比べると急激に減少しています。
この世代では結婚するとか子供が産まれる、新居を購入するといったライフイベントを迎える方が増えてきます。
それなりに収入は増えてくる傾向にもありますが貯蓄に回すことができる割合は減少している傾向が見えてきますね。
③40代、50代の場合
40代、50代になると貯蓄率は一層低下傾向をたどります。
会社勤めされている方はこの時期に収入がピークを迎えるとはいえ、お子さんが中学生や高校生になるという場合が多く、学習塾や習い事など教育に関する費用が重くのしかかってくることが想定できます。
その他マイホームの借入返済や親の介護の問題なども考えられますね。
30代に比べても大幅な減少が見られます。
この世代になると収入がピークを迎えるということもあり、もうすこし貯蓄率はあってもいいかと思いましたが現実はそうでもなく、家計収支は厳しいことが伺えます。
④60代以降の場合
この時期になると定年を迎え年金生活が始まると、今までの貯金を取り崩して余生を暮らすという感じになるのでしょうね。
お孫さんができるとなればレジャーや外食にという楽しみも出てきますね。
ですが、「人生80年」と言われる時代ですよ。皆さん長生きする世の中になってきたということもあってアルバイトをして貯金されているということも統計では明らかになっています。
私が提案する貯金の具体的な目安!
さきほどは世代別の貯蓄率について触れましたが、世帯主の年齢が若いほど貯金に回すことができる割合も高いという傾向がわかっていただけましたね。
将来において支出が増えてくることはある程度想像できることですから、なるべく早いうちに将来の生活設計を描く上で貯金を考えるのがいいでしょう。
貯金に回す金額の理想は各年代別の貯蓄率が参考になります。
ただし、毎年これを維持するのは困難な場合もあります。
我が家の場合だって急な病気のせいで治療代が結構かさんだ時期もありましたからね...
最低ラインとしては現役世代の平均貯蓄率がだいたい15%から20%位を推移していますので、毎年家計収入の15%程度貯金に回せれば自分によく頑張ったとほめても良いと思います。
無理のない程度で貯金するのが成功のカギ!
いままで貯金の目安を説明してきました。
ですが、あくまでこれは目安です。
無理して将来のために貯金をして、現在の生活に支障を及ぼすことになってしまったら意味がありませんね。
生活に少々余裕があるくらいの範囲で貯金を考えましょう。身の丈に合わせて賢くためて明るい人生を送りましょう!
明るい未来のためにこの記事が少しでも役に立てば幸いです。