年が明けてお正月を迎え、日も過ぎると、おとそ気分も抜けていよいよ仕事も始まる頃になります。そうすると「さて、家に飾ってあるお正月飾りはどうしたものか」と考え始めることになりますね。
ご年配の方ならもう毎年のことで何でもないのでしょうが、お若い方ですと「いつまで飾っていればいいの?」「どう片付ければいいのかわからない」と困ってしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、正月飾りの片付けのポイントを3つご紹介いたしましょう。
正月飾りはいつまで飾れば良いのか?
そもそも正月飾りを飾る意味は、その年の「年神様」を自分の家に招くことです。
「門松」は年神様が迷わずに来ることができようにその目印として、「しめ飾り」は年神様を迎えるのにふさわしい場所だということを示すために飾ります。そのために年末のうちに飾るわけですね。
ですから、お正月飾りは年初めから『年神様がいらしている期間』に飾っておくということになります。
よく「松の内」という言葉を聞きますが、これは松飾りや門松を飾っておく期間のことです。
「お正月飾り」は、広い意味で松飾りに含めてよいでしょう。
整理しますと、「正月飾り」は『年神様がいらしている松の内の期間に飾っておく』ということになります。
そこで、「松の内が明ければ片付ける」ということになりますね。さらに、片付けは松の内が明けてからよりも、松の内の最終日のうちにやっておきたいところです。
松の内は地域によって違うってホント!?
では、松の内とは何日までをいうのでしょうか。
実は地域によって異なるのです。
関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされていますね。
もともとの慣例では、松の内は1月15日までで、鏡開きは1月20日とされています。
しかし、今から300年以上も前、江戸幕府の時代に三代将軍徳川家光公が亡くなられた後のことです。
家光公の命日が4月20日ということで「20日」は月命日で忌日とされました。そこで1月の20日もお祝いを避けるようになったというように伝えられています。
そこで鏡開きの1月20日は1月11日になり、松の内も1月7日までというふうに前倒しになったというのが有力説です。他にも所説はあるようですが...
関東ではその慣例が広まって定着したようですが、関西は遠く離れていたために及ばなかったということです。そのため関西では昔からのしきたり通りというわけですね。
お役目を終えたお正月飾りはどうするのか?
役目を終えた正月飾りはどうすれば良いのでしょうか。
「ゴミの収集日に清掃業者さんに持って行ってもらう」って、それはいけません。
「どんと焼」で焼いてもらいましょう。
どんと焼とは、皆々さんが持ってきた正月飾りやしめ飾りに、前年のお札や破魔矢などを集めて『お焚き上げ』をする行事です。そこには年神様への「送り火」という意味合いが込められています。
その場所に持ってゆけば、ほかの皆さんが持ってこられた飾りやしめ縄などで山のようになっているはずです。そこに置いて「合掌」して終了です。どんと焼の当日に立ち会えれば、さらに言うことなしですね。
どんと焼は多くの神社で行っていますし、地域の自治体で行っているところがあるので確認してみましょう。
私は、若い頃に親元を離れて一人暮らしを始めました。そして、お正月も7日を過ぎた頃、お正月飾りをどうすれば良いのかを知らなかったがために、自宅の押し入れにしまって翌年翌々年と、3年ほど同じものを使いまわしにしておりました。
そのことを或る年、父に話したところ「お前はアホか!」と言われまして、まさに「罰当たりの極み」くらいまでガツンと言われたことを覚えております。毎年毎年新たな気持ちで「年神様」をお迎えするわけですから、一度飾ったものを何年も使いまわしにするなんぞもってのほか、ということですね。父親の信心深さには勝てません。深く反省しております。
さてさて、どんと焼をおこなうのは1月15日で、私の知る限り関東でも同じのようですよ。
正月飾りを片付ける際のポイント-まとめ-
- お正月飾りを飾っておく期間は「松の内」のあいだです。片付けは明けてからよりは最終日までにはしておきたいものです。
- 松の内は地域によってその期間が異なります。一般に関東は1月7日までで関西は15日までです。
- 期間が過ぎた飾りは「どんと焼」の行事でお焚き上げをしてもらいましょう。
お正月気分も終わって、普段の生活に戻り始めますと、逆にお正月の大切なしきたりがおろそかになってしまいがちです。
せっかく新たな気持ちで「年神様」をお迎えして、自身の抱負を心に刻んだお正月です。そのしきたりも最後までしっかりと完結させたいものですね。
正月のお飾りをキチンとしたかたちでお片付けをして、年神様のお見送りをしたうえで、新しいその一年にしっかりとした心構えで臨んでゆきたいものです。