自分の祖父母、親、兄弟など、身内が亡くなったときは喪に服すということで「喪中」になります。
年末が過ぎて年が明ければお正月を迎えることになりますが、このときもつつましく過ごしていくことがならわしですよね。
あまりあることではないのですが、いざその立場になると「どうしたらいいのかわからない」と困ってしまうというのが一般的なのかもしれません。
そこで、人生50年の人生の中で幾回かの喪中を経験した私が、お正月の過ごし方やマナーについてのポイントをご紹介いたしましょう。
ただ、特定の宗教・宗派にはこだわらず、ごくごく一般的な内容でまいりたいと思います。
喪中のお正月のマナー①正月飾りや初詣について!
喪中では、お正月でも晴れがましいことや派手な行動は避けるということになります。
ですから、たとえ正月とはいっても『普段通り』の生活を送ります。あくまでも、つつましく過ごしていなくてはなりません。
「門松」や「しめ飾り」「鏡餅」などのお正月飾りはしてはいけません。
派手さはないから「松飾り」なら良いかって、それもいけません。
食事も「おせち料理」や「おとそ」もだめです。普段通りの食生活を送ることがならわしです。
また、初詣もしてはいけません。
若い方なら「一緒に行こう」と友達から誘われそうですが、事情を話して丁重にお断りしたほうがいいでしょう。
もし「付き合いが悪いなあ」なんて言う友人がいれば、その友人の方がマナー違反ですよ。
喪中でも正月に墓参りは良いことだそうです。
私は遠方なのでそれはしませんでしたが、お正月にお墓をきれいに掃除して、きちんとお参りをすることは亡くなられた方やご先祖様のよい供養になることでしょう。
喪中のお正月のマナー②年賀状やお歳暮が届いたらどうする?
ご存知のように、喪中のときは年賀状を出してはいけません。
「年始のご挨拶はご遠慮申し上げます」状態に入っています。
前の年のうちに喪中はがきを送って「欠礼の挨拶」をしておくわけですね。
ではもし、送っていない方から年賀状が届いたらどうしましょう。
ふだん来ない人からいきなりの年賀状なんてこともあるかもしれませんね。
「あれ?○○さんから年賀状だ!」といううれしい感情が縦からきて、「何で喪中の時に限って?」という迷惑な感情が横からきて、バチッと火花を散らして交錯する瞬間です。
そして次の瞬間「一体どうすりゃあいいんだ...」という暗くて不安な感情に心臓をズドンと突き飛ばされるなんてこともあるかもしれません。
しかし大丈夫です。そういうときは「寒中見舞い」の挨拶状を送ります。
そこには欠礼の理由も忘れずに書き添えることが大切なマナーですよ。
「○○の事情で新年のご挨拶はご遠慮させていただいております」という感じですね。
また、大切なひとには、年末に喪中はがきを送るだけで済ましておくのは忍びないという場合もあるでしょう。
その場合も、年賀状の代わりに「寒中見舞い」で無難なご挨拶をしておいても良いかもしれませんね。
いずれにしてもそれら寒中見舞いを送るのは「松の内」1月7日が過ぎてからにしましょう。
相手がお正月気分でいるところへ送ることはマナーに反しますからね。
では、年末に「お歳暮」をいただいていた場合はどうするのか?
お歳暮のお返しというと「お年賀」でおこなうということがありますが、喪中ではそれもいけません。
これも「寒中見舞い」でお返しをする方法でおこないます。
このとき『のし紙』にある紅白の水引はいけませんから無地の短冊などを使いましょう。
これも松の内の期間を避けて送るようにしましょうね。
喪中のお正月のマナー③年始の挨拶はどうするの?
喪中ならば、年始の挨拶はお決まりの「明けましておめでとう」を言ってはいけません。
まさに欠礼状態の真っただ中です。
「じゃあどうすりゃいいの?」と頭の中がパニック状態のになるかもしれませんが一旦落ち着きましょう。
さて、いろいろな対応の仕方はあるかと思いますが…
私流には、「今年もよろしくお願いいたします」の挨拶だけはさせていただきました。
『よろしくお願いします』という挨拶の言葉には時節は関係ないと思っていますので。
仕事始めの上司への挨拶でも「すみません。喪中なので新年のご挨拶はできませんが、今年も目標達成に尽力いたします。よろしくお願いいたします」というようなことで難なく切り抜けておりました。
上司のほうも私の事情はわかっていましたから、その後々でもこの挨拶の仕方で悪い評価を受けたという感じはありませんでしたね。
「今年も」の部分がダメだというのなら、そこは言わなければ良いだけのことです。伝えたいことはあくまでも「よろしくお願いします」の気持ちですから。
喪中のお正月のマナーについて-まとめ-
- 喪中なら、お正月は飾り付けをしてはいけませんし、食事も普段通りにして初詣も控えます。
- 喪中なら、年賀状は送ってはいけませんが寒中見舞いなら大丈夫です。ただし送るのは松の内を避けましょう。
- 喪中なら、新年の挨拶「明けましておめでとう」は控えます。「よろしくお願いします」をうまく使いこなしましょう。
喪中でお正月をどう過ごすか?
『普段通りに過ごしていれば良い』と思えば、ある意味で気楽にしていられることなのかもしれません。
しかし、『正月にする挨拶』ということになると、相手のあることですから心配りや気遣いが必要になってきます。
そうなるとやはりマナーの問題が出てきますから、心血を注いで充分に気を配ってゆきたいものですね。