『お客様や取引先へ訪問する』という場面では、スーツの上にコートを着ていくという光景はよくみられます。
その際、訪問先に到着したら「着ている上着は脱ぐものだ」ということは誰もがご存知のことでしょう。
ならば、「実際にどういうふうにするのか?」と突き詰められると、「詳しい作法はちょっと...」となりかねません。
しかし、プロのビジネスパーソンたるもの、そのあたりのマナーはしっかりとわきまえておきたいものですよね。
そこで今回は、「ビジネスマナーにおけるコートの扱い方」について、私が経験してきたことをもとにした3つの心得をご紹介したいと思います。
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訪問時にコートを脱ぐのはビジネスマナー?
一般的にはコートを着て訪問する際、相手のところにお邪魔する時点で脱ぐのがマナーです。
コートを着たまま相手のお宅に上がり込むものではありません。それはビジネスの世界でも同じことですね。
そもそもコートというものは防寒着ですから、暖かいところでは脱ぐべきものです。
それを着たままで人さまの「領域」に入り込むのは、「外の寒さを持ち込む」という意味にもとられて、たいへん失礼なふるまいになります。
また、着たままでいては「ここは寒いところだ」と言っているようなものですから、これまた失礼なことになりますよね。
細かいことかもしれませんが、厳しいお相手なら「顔で笑っていても心の中では...」なんてこともあり得ますから十分に注意しましょう。
コートを脱ぐタイミングはいつ?
訪問先に到着したら着ているコートを脱ぐとして、さてどのタイミングで脱ぎましょうか。
基本的には訪問先の玄関の外で脱ぎます。
脱ぐ際は、自身の腕が振られますから周囲に充分気を付けてくださいね。
それから帽子やマフラーもそこで脱ぎます。そして、脱いだ後はそれらは手に持ってください。
企業訪問の場合は、たいてい玄関から入って前方数メートル先に受付があって担当者がいます。
その受付嬢の方のところへ向かって歩いている段階では、すでにコートは二つに折って自分の左腕に掛けていますね。
間違っても「受付嬢の方の目の前でコートを脱ぐ」なんて恥ずかしいことはいたしません。
また、ホテルや宴会場のフロントや受付では、よくコートを預かってもらうような光景を目にします。
しかし、それはあくまでも自分の方が「お客さんの立場」である場合のことだと私は感じています。
ですから、取引先の受付の方には「コートを預かってほしい」などということは死んでも頼みません。
そんなことを頼んで「この人なんてあつかましいのかしら」と心の中で思われるとすれば、そちらの方が私にとっては死ぬほどキツくて辛いことですからね。
相手との面談のときにコートはどう扱うか?
取引先の相手などにお会いするとき、すでに脱いで手に持っているコートはどうするべきでしょうか。
訪問先で中に通されて、「さあこれから面談だ!」というときには、脱いだコートを自分のカバンの上に置きましょう。
できるだけ小さくたたんでカバンの上に、です。
床の上に置くような人はいないと思いますが、絨毯の上なら...って、それもいけません。
もしお相手に渡す資料などカバンから出すべきものがある場合は、あらかじめ出して手に持っておきましょう。
応接室の隅によくハンガーがある場合がありますよね。
しかし、それでもお相手の方から「どうぞコートはそこにあるハンガーにおかけ下さい」など勧めがない限り、勝手に使用したりはしない方が無難でしょう。
まとめ:細かなビジネスマナーで相手の印象は変わる
1.そもそも「コート」というものは暖かいところでは脱ぐものです。訪問先では脱いで相手と接することがビジネスの世界でもマナーです。
2.コートを脱ぐタイミングは訪問先の玄関の外で周囲に気を付けながら行うことをおすすめします。
3.相手との面談の際は、コートは自分のカバンの上におきましょう。飛び込み訪問などでは最初から着ないでいた方が機動的に活動できます。
コートのマナーに関しては、あまり気にしないという方が多いかもしれません。
しかし、基本通り訪問先で脱いだとして、それを手に持ちながら「どうしようか」と戸惑ってしまってはかっこ悪いですよね。
そんな場面で相手に余計な気を使わせてしまうということは、ビジネスの世界では避けたいものです。
例え小さなマナーでも、しっかりと身につけて実践するようにいたしましょう。