年末にもなると会社でも得意先などから「お歳暮」が届くことってありますよね。
社長宛のものなら自社の社長やその秘書の方で対応することになるはずですが、自分の担当する取引先から、自分の所属部署宛に届いた場合はどうしましょう。
当然、上司からは担当の自分に「すぐ、お礼の電話をしなさい」という指示が出るでしょうね。
そうなると今年就職してきた新人の方や若手社員の方々にとっては「そんなこと、急に言われたって一体どうすりゃあいいんだ?」と大いに戸惑ってしまうかもしれません。
そこで今回は、社会人生活30年超の間に30回のお歳暮シーズンを通り過ぎてきて、それなりに恥もかいてきた私が、『お歳暮のお礼の電話』の心得を3つほどご紹介いたしましょう。
お歳暮に対するお礼の基本的なスタンスとは?
基本的には、いただいた「お歳暮に対するお礼」というのはハガキなどで「お礼状」を送るかたちになります。
それがマナーです。
ですから「電話によるお礼」というのはお礼状の前に電話で、「取り急ぎ届いたことをご連絡させていただく」というスタンスになりますね。
電話をしたからお礼状は送らなくて良いということにはなりません。
そこで大切なことは、自分の役割は『電話とお礼状の両方をする』のか、それとも『電話をかけるのは自分でお礼状を送るのはほかの社員なのか』ということです。
この「仕事の全体の流れ」について予め上司と打ち合わせ、確認をしておくことが必要になりますよね。
さて、どちらにせよお相手に電話でご挨拶をしなければいけません。
そこで、まずはお決まりの切り出しの後についてです。
「本日お歳暮をいただきました。取り急ぎ届いたことのご連絡を、と思いましてお電話させていただきました。」と続けられれば問題ないでしょう。
冒頭、時節の挨拶を入れる方もいますね。私はするにしても軽くにしておきます。
若い方にとっては、普段はあまりしない仕事です。くれぐれも緊張しすぎて口ごもってしまったり噛んだりしないように、気持ちを落ち着けてから取り組みたいものです。
私も若い頃、緊張しすぎて声が小さくなってしまって「本日お歳暮が届きました」と言ったところで相手から「電話が遠くて何だかよく聞こえないんですが」と言われてしまいました。
その瞬間は恥ずかしさのあまり赤面してしまいましたね。
なので、とにかく気持ちを落ち着けて、よい挨拶のスタートが切れればあとはもう勢いでなんとかなりますよ。
さて、「取り急ぎ・・ご連絡・・・」と言ったあと、それでは「はい!さようなら」というわけにはいきません。
スタンスとしては礼状の「事前活動」ですが、この電話の趣旨もあくまで『お礼』ですからね。
お歳暮のお礼の言葉はどう言えばいい?
では、本題のお礼の言葉はどのような言い方をすれば良いのでしょうか。
それは、単純な決まり文句、まさに定番です。
「結構なお歳暮(お品物)をいただきましてありがとうございます」です。
普段使いなれていない言葉なのでさらりと言うことは難しいかもしれませんね。
自信が持てないときは、自己暗示をかけると良いと思います。
せっかくいただき物をしたわけですから、本気で心から有り難いと思えば良いのです。
心の底からそう思えば、自然と「ありがとうございます」という感謝の言葉ははっきりと大きな声で出てきますよね。
上司に言われて、『かけたくもない電話をいやいやかけさせられている』という心理状態ではいけません。
それでは相手の方に対しても失礼です。
そういう気持ちを持ったとしても、すぐに切り替えて自分で自身をマインドコントロールしましょう。
「あぁ、有り難い!!」という感謝の気持ちになってくださいね。
私も昔、ある先輩社員を見ていてあこがれたものです。
さっきまで「なんで、オレがこんなことをやんなきゃいけねぇんだ」なんて愚痴っていたその先輩は、受話器を手に持った瞬間にガラリと変わります。
完璧という言葉がそのままピッタリ当てはまるくらいの顧客対応をするのです。いつも見ていてもハアーッと目が覚めるようでしたね。
さてさてこれで、気持ちのこもったお礼の電話をかけられますよね。
「誠に」とか「本当に」という言葉が「ありがとうございます」の前に入ってきそうです。
それができれば上出来です。社会人として、ひとりの会社人間として恥ずかしくない対応ですよ。
お歳暮のお礼の話からどのようにつないでゆくか?
こちらがお礼の言葉を告げた後、相手の反応はたいていの場合、謙遜して話をしてくることが一般的です。
「つまらないものですが」とか「お口汚しに」と言った感じです。
それに対して、「ホント、つまらないものですね!」なんて言ってしまえば、それこそ漫才のネタになってしまいますね。
「いつもご丁寧にありがとうございます」という言葉で切り抜けましょう。
この言葉も定番で丁寧な表現ですよね。
さらに、その後もお相手のへりくだった話が続くような場合はどうしましょう。
私流ですが、「おそれいります」という言葉を使いこなしております。
謝る必要がない場面で「すみません」「すみません」と繰り返していても、かえって相手の方が恐縮してしまいます。
なので「おそれいります」の言葉を使ってこちらの方が恐縮する姿勢を示しましょう。
特に営業関係の方はとかく「すみません」が口癖のようですから要注意ですね。
最後は、これも私流ですが、時節の挨拶を最初とは違ってここではしっかりと言います。
「寒さ厳しい日々が続いております。皆々さまくれぐれもご自愛くださいますように」
というような感じでしょうか。
あとは「まずは取り急ぎ(ご連絡と)お礼まで、これで失礼させていただきます」というようなかたちで終了です。
どちらにしても、相手のあることですからすべて手本通りというわけにはいきません。
失礼のないように臨機応変な対応を心掛けたいものですね。
まとめ:お礼の電話では感謝を
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「お歳暮のお礼」は礼状を出すことが基本です。電話は「取り急ぎ届いたことをご連絡」というスタンスであることに留意しましょう。
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本題の定番の挨拶は「結構なお歳暮をいただきましてありがとうございます」です。心を込めて感謝の気持ちを伝えましょう。
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相手の謙遜した反応には、「いつもご丁寧にありがとうございます」が定番です。さらには「おそれいります」の言葉などをうまく使いこなして臨機応変に失礼のないかたちで締めくくりましょう。
お歳暮のお礼の電話について、上司から急に指示を受けると一瞬戸惑ってしまいますよね。
まずは落ち着いて、お相手に対する「感謝の気持ち」を自分の心の中にしっかりと打ち立てましょう。
そうすれば自然と言葉は出てくるものですよ。
感謝する側感謝される側、お互いに将来に向かってさらに良い関係を続けていけるように、しっかりとした「お礼の電話」をしたいものですね。