2016年10月より、パートさんなど短時間労働者への社会保険適用の条件が変更になったのはご存知ですか?
今までは、扶養の範囲内で働いて旦那さんの会社の社会保険に加入していた方が多いと思います。
しかし10月からは、条件に当てはまれば自分の会社で社会保険に加入しなければなりません。
社会保険の仕組みは複雑なので、配布された手紙などを読んでもわかりにくいことが多いですよね。
そこで、労務担当として働いている私が、10月から変更された『パートさんの社会保険について』簡単に教えちゃおうと思います。
パートの社会保険が適用される会社の規模は?
まず始めに、あなたの働いている会社の規模ですが、個人経営の事業所や小さな会社であれば問題はありません。
適用条件の一つは、「常時500人を超える被保険者を使用する企業に勤めている」なのです。
私の働いている会社は50人程度の規模なので全く問題ありませんでした。
「適用されたら仕事が増えちゃう!」とおびえていたので、ほっとしましたね(笑)
飲食店などで『お店自体は小さくても全国チェーンなので保険は本社取りまとめで入っている』という場合も適用の対象となるので、確認してみてくださいね。
パートの社会保険が適用される勤務時間と雇用期間は?
次の条件は「1週間の労働時間が20時間以上」です。
雇用契約書を確認してみるとすぐにわかると思います。
ただし、雇用契約書上で「労働時間は1週間に20時間以下」と明示されていても、直近2か月のタイムカードなどで、実際は基本的に20時間以上働いていると確認できれば適用されます。
ここに残業時間は含めませんが、これからも20時間以上働くと見込まれるときは加入条件に当てはまるので、要確認です。
雇用期間についても雇用契約書で確認できます。
「雇用期間が1年以上見込まれる」ことが条件ですので、1年以内の契約で更新はなしという契約であれば当てはまりません。
期間の定めがなく雇われている人や、更新をくり返してこれからも継続雇用される予定の人は加入条件をみたしますよ。
パートさんの給料はいくらだったら適用される?
次の条件は「月額賃金が8万8千円以上」です。ボーナスや各種手当、通勤手当や残業代は含めません。
基本の時給や日給のみを計算して月に8万8千円以上もらっている人が対象になります。
最低賃金があがっているので、基本給だけで8万8千円以上になる人は多くなりそうですね。
過去の給料明細を見返してみてくださいね。
ここまで社会保険の中の「健康保険・厚生年金」についてお話ししましたが、この条件に当てはまっても、学生であれば対象外です。
休学中や、夜間定時制の学生であれば別ですが、大学生や高校生などは加入する必要はありませんよ。
雇用保険について
社会保険には、「雇用保険」もあります。
これについては今までと変更ありませんが、とりあえず解説しておきますね。
雇用保険は、「1週間の労働時間が20時間以上」・「1か月以上雇用される見込みがある」が条件です。
ただし、週40時間以上の労働時間で契約している人は、1か月以内の雇用期間でも対象となりますよ。
雇用保険は、これに当てはまればほぼ全員が加入することになります。
個人経営の小さな会社では、コストがかかるからと加入していないところもあるようですが、もし仕事をやめたときのご自分の失業保険にも関わってくるので、雇用保険に加入していることは大事なことです。
私の勤めている会社にもいましたが、前の会社で雇用保険に入っていたというので雇用保険番号を提出してくださいというと、証書をもらっていないというのです。
私がハローワークに行って確認すると、その人が加入していた履歴はありませんでした。
社会保険は事業主の負担になりますが、加入が義務付けられているものですからお互いのためにもきちんと入っていてほしいですね。
パートの社会保険の加入条件-まとめ-
パートさんの社会保険の加入条件をまとめると...
- 従業員500人以上の会社に勤めている。
- 1週間に20時間以上、1年以上の雇用契約をしている
- 月額8万8千円以上のお給料をもらっている
- 学生ではない
雇用保険については...
- 週20時間以上の労働契約をしている
- 1か月以上の雇用契約である
パートさんは、健康保険については旦那さんの会社にまかせっきりにしていたり、雇用保険も会社の制度に一任していたりと、社会保険について関心がない方が多いように思われます。
制度変更のこの機会に、ご自分の会社の社会保険について確認してみてはいかかでしょうか?