ビジネスシーンで、『得意先に遅い時間にメールをしなくてはいけない状況』ってありますよね。
また、メールは送った時間に正確に届くとは限りませんし、受信が遅れてしまうなんてことも考えられます。
そんなときに「夜分遅くに失礼いたします。」と冒頭文に打ち込むことは相手へのマナーとしてとても大切なことです。
しかし、実際のところ、「夜分っていつのこと?」「この表現は正しいの?これだけでマナーは完璧なの?」
これらのことをちゃんと理解した上で使用しているでしょうか。
今回は、そんな『どうしても遅い時間にメールを送らなくてはいけない場合のビジネスマナー』についてご紹介します。
この記事の目次はこちら
就業後にビジネスメールを送っていいの?
ビジネスシーンにおいて、メールを送信するのは相手の就業中が原則です。
なので、「マナー違反かどうか?」だと『マナー違反』となってしまいます。
就業後にメールを送るのは、相手のプライベートの時間を割いてしまうことになりますからね。
しかし、どんな人でもミスをしてしまうことはあります。
『仕事を終えて悠々と帰宅の準備。が、肝心なメールを得意先に送るのを忘れてた!しかもそれは今日中に送らなくてはいけないメールだった!』
こんなこともあると思います。
どうしても送らないといけない状況の場合、相手のプライベートを邪魔してしまう可能性があることを意識してください。
私もプライベートの時間に仕事のメールが来たら少し面倒だなって思ってしまいます...
ただし、そこは仕事ですからプライベート中であっても返信は必ずします。仕事ですから...
このように、就業後のメールというのは送る相手にも負担がかかることなんです。
ましてや深夜に送るとなれば、相手が就寝中ということさえあり得ます。
どうしても深夜にメールを送る場合は、いつも以上の丁寧さを心がけることを忘れないでください。
「夜分遅くに失礼します」の正しい使い方
「夜分」ってどういう意味?
では、具体的に「夜分とはいつのこと」を言うのでしょうか?
「夜分」という言葉には「夜中」という意味があります。
ですから「夜分」を使う場合は、おおよそ午後11時〜午前2時ごろが目安となります。
ただし、ビジネスシーンの場合ですと、相手の仕事の兼ね合いもあります。
相手の就業時間が終了しているなら、時間にこだわらず一言「夜分遅く失礼します」とお詫びの挨拶を入れるのが良いでしょう。
「夜分遅くに」は重複言葉?
遅い時間にメールを送る場合に一言謝罪を添えるのは、ビジネスマンにとって当然のマナーだと説明しました。
では「夜分遅く」というのは正しい言葉なのでしょうか?
「夜分」という意味を「夜遅い時間」と認識している方も結構いますよね。そうなると、「夜分遅く」は「遅い」という意味が重なっていて、重複言葉となってしまいます。
しかし、実際のところ「夜分」という言葉には「夜」「夜間」という意味しか含まれていません。
なので、「夜分遅く」という言葉は正しい使い方なんですね。
ただ、もし気になるようでしたら「夜分に失礼いたします」と書いても問題ありませんよ。
夜にメールを送信するときのビジネスマナー
マナー①日付をしっかり書く!
深夜にメールを送る場合は、「今日」「明日」という曖昧な言葉を書いてしまうと相手に対して混乱を招いてしまいます。
日付をしっかりと書くことで、相手にも正確な日時が分かり、混乱させずに済むので必ず日付を入れるようにしてくださいね。
日付の書いていない悪い例...
ある日あなたが、家に帰ってベッドでゆっくり本を読んでいたとします。
すると、得意先の方からメールが届きました。時刻は午前0時。
内容を確認すると...
「◯◯様 夜分遅くに失礼いたします。前回ご相談いたしました、◯◯の件ですが、明日にはそちらに届きますので、ご検討の程よろしくお願いいたします。」
ありがちなメールですが、この文章を見てあなたはどう思いますか?
午前0時に来たメールで「明日には届く」って...それは日付が変わって今日なのか、明日なのかどっちなの?という疑問が沸いてしまいますよね。
深夜にメールを送ることは原則として、してはいけないことです。
だからこそ、あえてそれでも送らないといけない状況になったときは、いつも以上に慎重に言葉を選ぶことが必要ですよ。
先ほどの例文を正しく書き直すと、以下のようになります。
「◯◯様 夜分遅くに失礼いたします。前回ご相談いたしました◯◯の件ですが、明日(◯月◯日)には届きますので、ご検討の程よろしくお願いいたします」
相手への配慮を忘れないようにしましょう。
マナー②時間指定機能を使う!
メールには、時間指定機能というものがあるのを知っていますか?
これは事前に日付と時間を設定しメールを準備しておくことで、指定した時間になると自動的にメールを送信してくれる便利な機能です。
この機能を使えば、勝手に朝一でメールを送信してくれるので、深夜に送る必要はなくなりますよ。
どうしても!という緊急でない場合は、活用してみるのも良いですね。
まとめ:「夜分遅く失礼します」は誤用ではないが...
-
深夜にメールを送ることはビジネスにおいて原則禁止
-
どうしても送らないといけない場合は、「夜分遅くに」としっかりお詫びの一言を入れる
-
相手に混乱を招かないように、明確な日付を書く
-
緊急でない場合なら、メールの時間指定機能を活用する
これで遅い時間に相手にメールを送っても失礼になりませんね。
ただし、『就業時間中にメールを送る方がマナー違反にならず、相手にとっても好印象』ということを忘れないでくださいね。