日頃からよく目にする、メールでの「以上」という言葉。
メールの終わりを知らせる『結びの言葉』として多用されていますよね。
しかし、「目上の人にも使っていいの?」「以上だけってなんか冷たい印象を持たれない?」
そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、『ビジネスメールにおける「以上」の正しい意味と使い方』をご紹介いたします。
この記事の目次はこちら
意外に知らない「以上」の正しい意味
普段何気なく使っている「以上」にはどんな意味があると思いますか?
実はただ「ここで終わりです。」という意味だけじゃないんです。
詳しく説明しましょう。
「以上」は、『記書き』という種類のビジネスメールで使われる「結びの言葉」の一つです。
『記書き』とは、ビジネス文書を作成するときに『挨拶や本文を書いた後、そのほかの内容を箇条書きにするときに用いる書式のこと』をいいますよ。
というわけで、「以上」は本来『箇条書きに用いられる言葉』なんですね。
ビジネスメールで「以上」を使うことは問題ナシ!
『箇条書きの際に用いられる言葉』ということは、「以上をメールの文末に書き添えることは、使い方が間違っているんじゃないか?」と思いますよね。
しかしご安心ください。
ビジネスメールで「以上」を使うことは間違いじゃないんです。
というのも、メールの場合、手紙と違って「受け取った側が最後まで読んだかどうかが分かりにくい」という難点があります。
手紙だったら、ページをめくっていけば文章の終わりは一目瞭然ですよね。
しかし、メールは文末に「終わりです」という意味の言葉を示さないと「あれ?このメールまだ終わってないのかな?」と読み手を混乱させてしまいます。
そこで、使われるようになったのが「以上」なんですね。
メールにおいて「ここで終わりです」ということを表す言葉として最適だったから、用いられるようになったんですよ。
目上の人へ「以上」のみは失礼?
上記でビジネスメールで使用しても問題ないことがわかりましたね。
では、目上の人に「以上」のみの文末を送ることは、相手に失礼にならないのでしょうか?
結論からいうと、「以上」のみでは失礼に当たります。
これは相手の捉え方の問題でもあるのですが、「以上」のみが文末に書き添えることは、用法としては間違っていません。
しかし、どうしてもそれだと、少し冷たい印象を持たれてしまうんですね。
メールの最後で相手に悪い印象を持たれてしまっては、今までの努力が水の泡になってしまうかもしれません。
使い方が間違っていなくても、ここは相手への気遣いを考えて、「以上」の後に一言別のフレーズを添えるだけで印象もグッとよくなりますよ。
「以上」に添えるフレーズ集
では、『以上の後に一言添えるだけで印象がアップするフレーズ集』をご紹介します。
これを読んであなたもワンランク上のビジネスメールを書きましょう。
メール文末の「以上。〇〇」の〇〇に入れて使ってくださいね。
・一般的なフレーズ
「よろしくお願いいたします」「なにとぞよろしくお願い申し上げます」
・検討をうながす場合のフレーズ
「ご回答いただければ助かります」「ご教示願えれば幸いです」
・御礼や感謝のみのメールを送った場合
「取り急ぎご報告まで」「まずはお礼申し上げます」
・返事をうながす場合
「御返事お待ちしております」「ご多忙のところ恐縮ですが、ご返答いただければ幸いです」
・返信が不要な場合
「ご確認いただければ返信は無用です。」「何か不都合がありましたら、お知らせくださいませ」
文末の結びの言葉は大切な礼儀
ビジネスメールを書く際、件名や本文は相手に失礼のないように注意して書くものですよね。
最初の書き出しにはしっかりと挨拶を添えて、相手への礼儀も忘れません。
しかし、ビジネスメールを見ていると、最初の挨拶はちゃんと書いているのに、『最後の結びの挨拶を書かない方』って驚くほど多いんです。
これはビジネスメールマナーの書き方の本やハウツーのサイトなどを見てもわかるんですが、最後の結びの挨拶の大切さを伝えているところが少ないからです。
『ビジネスメールは礼に始まり、礼に終わる。』
一見当たり前のようですが、これを意識してメールを書くだけで、他の方よりうんと印象が良くなりますよ。
ぜひ、意識して実践してみてくださいね。
まとめ
本記事では、「以上」の意味と正しい使い方についてまとめてきました。
それでは内容をおさらいしておきましょう。
①「以上」とは、本来箇条書きの用法に使われる言葉がビジネスメールで使われるようになった。
②目上の人へは「以上」のみでなく一言添えるのを忘れない。
③フレーズを覚えて、相手に合った文章を打つ。
④ビジネスメールは礼に始まり、礼に終わることを意識する。
結びの言葉はビジネスメールにおいて大切なマナーです。
しっかり覚えて相手に好印象を与えましょう!
それだけで、ビジネスマンとして『周りから1歩抜け出した存在』になれるかもしれませんよ。